外壁塗装にかかる費用は、選ぶ塗料や家の規模によっては100万円を超えることも珍しくないため、費用負担が重く感じられる方も多いでしょう。中には格安での外壁塗装を請け負っている業者も存在しますが、怪しい業者ではないのか、後から追加料金を請求されたりしないのか不安に感じる方も少なくないはずです。
外壁塗装費用は、それぞれの家の劣化具合や立地条件などを考慮して計算されるので明確な相場がなく、悪意ある業者から不当な料金を請求されることも少なくありません。
そこで本記事では、外壁塗装の費用相場を元に格安で工事を依頼するためのポイントをご紹介します。悪徳業者に引っ掛かることなく、優良業者を見極めて外壁塗装を依頼するための注意点についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
格安っていくらくらい?外壁塗装の費用相場とは
外壁塗装にかかる費用で格安と言えるレベルがどのくらいの金額なのか、まずは目安となる費用相場をもとに確認してみましょう。外壁塗装の費用相場は、塗料を使用する外壁の面積などによって異なるため、延床面積をもとに概算することが一般的です。たとえば、一般的な戸建住宅の広さである30坪の家であれば、60万円〜90万円が外壁塗装費用の目安となります。
より坪数が少ないコンパクトな住宅であれば費用は安くなり、後述する火災保険や補助金を活用すれば、実質的な費用負担を軽減することもできます。場合によっては50万円以下の格安価格で工事できることもありますが、相場を下回る金額で施工できる根拠が伴っていなければ、相手が悪徳業者である可能性が高まるので注意しましょう。
なお、外壁塗装の費用相場は、下記のページで内訳や坪数ごとの目安をまとめているので、合わせてチェックしてみてください。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
格安で外壁塗装を依頼するための5つのポイント
次に、60万円〜90万円の費用相場を下回る格安価格で外壁塗装を依頼するためのポイントについて、以下の5つの観点からご紹介します。
- 複数の業者からの相見積もりを取る
- 外壁塗装の閑散期に依頼する
- 大手ではなく自社施工の地元業者を選ぶ
- 火災保険・補助金を活用する
- 屋根塗装と同時に依頼する
これらのポイントを踏まえながら、割安な価格で外壁塗装を依頼できないか検討してみましょう。
複数の業者からの相見積もりを取る
外壁塗装を格安で依頼するためのポイントとして、複数の業者からの相見積もりを取ることが挙げられます。1社の見積もりだけで契約を即決するのではなく、使用する塗料や塗装面積などの条件を揃えた上で複数の業者から見積もりを取り、なるべく安価な見積もり金額を提示してくれる業者を選ぶのがコツです。
複数の業者の見積もりを取り寄せることで、それぞれの営業担当者の対応を見比べることができ、信頼できる業者選びにつながるメリットもあります。1社の見積もりだけで即決してしまうと、その見積もり金額が妥当なのかどうか判断しにくくなるので注意しましょう。
関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
外壁塗装の閑散期に依頼する
格安で外壁塗装を依頼するためには、業界の閑散期に工事を依頼するのも効果的です。外壁塗装のベストシーズンは春または秋の季節で、天候や気温・湿度が安定している時期ほど依頼が集中しやすくなります。 一方で、梅雨の時期や真夏・真冬の時期は工事の延期が発生しやすく、外壁塗装の依頼が少ない閑散期となります。
外壁塗装の閑散期には、業者側も職人の手を余らせないよう、値引きに応じてでも工事を受注しようとする傾向にあります。そのため工事の延期が発生しても問題ないようであれば、あえて閑散期に狙いを定めて外壁塗装を依頼するのがおすすめです。
関連記事:外壁塗装に適した時期とは?季節ごとのメリットと塗り替え周期も解説
大手ではなく自社施工の地元業者を選ぶ
格安で外壁塗装を依頼するためには、依頼する業者の規模にも注意する必要があります。大手ハウスメーカーなどの下請けの塗装業者を使っている会社では、中間マージンが発生して相場よりも割高な費用が請求されることが多いからです。そうした中間マージンが発生せず、自社で受注した工事は自社内で施工している地元の塗装業者であれば、無駄な費用を抑えて外壁塗装を依頼することができます。
大手ハウスメーカーや工務店にもまったくメリットがないわけではなく、他のリフォーム工事についての相談ができたり、工事保証が手厚かったりと、地元業者にない魅力があるのも事実です。中には中間マージンを省いて格安で外壁塗装を請け負っている業者もあるので、あくまでも各業者の見積もりを取り寄せてから比較・検討することをおすすめします。
関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
火災保険・補助金を活用する
外壁塗装にかかる費用負担を抑えて格安工事を実現するために、火災保険・補助金を活用するという方法もあります。
火災保険は、強風・積雪などの自然災害によって被害を受けた外壁の補修で使うことが可能で、補修費用の一部で補償を受けられることがあります。ただし経年劣化や施工不良による外壁の補修は適用外となるため、不正請求とならないように注意しましょう。
関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
また、自治体によっては外壁塗装で使用できる補助金・助成金を用意しているケースもあるので、お住まいの自治体のホームページや窓口で確認してみることをおすすめします。遮熱・断熱塗料を用いて、省エネ性能の高い住宅にリフォームする場合などは制度の対象になりやすいので、一度チェックしてみてください。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説
屋根塗装と同時に依頼する
家全体のリフォームにかかる費用を格安に抑えるために、屋根塗装と同時に外壁塗装を依頼するのもおすすめです。外壁塗装・屋根塗装はどちらも家の寿命を延ばすために欠かせない工事ですが、別々に依頼してしまうと足場の設置・組立の費用が何度も発生してしまい、リフォーム費用全体が膨らむ原因になります。
外壁塗装・屋根塗装を同時に依頼すれば、外壁塗装で使った足場を屋根塗装にも使い回せるので、費用の節約につながるのです。業者からの見積もりの際に、屋根のリフォームも勧められるようであれば、外壁塗装・屋根塗装を同時に依頼することも検討してみましょう。
関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介
優良業者を見極めて外壁塗装するための注意点
外壁塗装を格安で依頼したい場合に注意が必要なのが、悪意ある業者に騙されてしまわないように身を守ることです。ここでは悪徳業者に引っ掛かることなく、優良業者を見極めて外壁塗装を依頼するための注意点について、下記の3つをご紹介します。
- 相場より安すぎる業者は追加料金などのリスクも
- 大幅値引きを提案する業者は二重価格表示の可能性
- 不明瞭な見積書は悪意ある業者の手口
これらの注意点を踏まえながら、外壁塗装を依頼するようにしましょう。
相場より安すぎる業者は追加料金などのリスクも
外壁塗装の費用相場は60万円〜90万円の価格帯となっており、複数の業者からの相見積もりを取ればより正確な自宅の費用相場を把握することができます。そうした費用相場を大きく下回る格安価格が提示された場合、契約後の追加料金が発生するリスクや、契約金を持ち逃げされるリスクに注意が必要です。
外壁塗装にかかる費用は、塗料の単価や塗装面積、足場代などの内訳とともに厳密に計算されている価格なので、相場を大きく下回る金額を提示することは現実的には不可能です。50万円以下などの激安価格が提示される場合、手抜き工事や塗料の品質を下げる行為などを行っていることも考えられるため、格安にできる根拠について納得のいく説明がない限りは、依頼するのは避けた方が良いでしょう。
大幅値引きを提案する業者は二重価格表示の可能性
外壁塗装で格安価格を提示する業者の中には、本来は80万円が適正価格のリフォームに対し、「通常160万円のところ、お客様限定で半額キャンペーンを適用できます」といったセールストークを用いて、大幅な値引きを行なっているかのように見せるケースも存在します。いわゆる二重価格表示で不当に安く見せているケースであり、不誠実な手口の代表例なので注意した方が良いでしょう。
失敗しない外壁塗装のためには、費用が安いことだけを重視するのではなく、こちらの希望に応じてくれたり、トラブルがあった際にも丁寧に対処してくれるなど、誠実に対応してくれる業者を選ぶことが大切です。そのためセールストークの内容で不誠実な印象を受けた業者には、なるべく依頼するのは避けることをおすすめします。
関連記事:外壁塗装の悪徳業者を見分ける4つのチェックポイント
不明瞭な見積書は悪意ある業者の手口
悪意ある外壁塗装業者の中には、不明瞭な見積書を作成して不当な金額を提示するケースも多いです。費用内訳を「一式」でまとめて記載し、どの工程にいくらの金額が発生しているのかがわかりにくい見積書などは、注意が必要な業者によくある特徴です。
また、外壁塗装に欠かせない「3度塗り」の工程が省かれて2回の重ね塗りだけで終わらせようとする業者や、塗料のメーカー・商品名などを記載せずに品質の低いオリジナル塗料を使用しようとする業者も存在します。そうした業者に引っ掛かることがないよう、下記のページにも記載している見積書のチェックポイントを踏まえながら、業者選びを進めると良いでしょう。
関連記事:外壁塗装の見積書はここをチェック!費用単価と見積もりの取り方を解説
格安で外壁塗装するためのDIYはおすすめしない
外壁塗装を格安で済ませるために、DIYで工事できないか検討している方も多いでしょう。確かにDIYで外壁塗装することによりリフォーム費用を節約することは可能ですが、素人の工事によって施工不良を起こしてしまえば、後になって業者に補修工事を依頼する際に費用が高額になってしまう危険性があります。
また、外壁塗装は高所での作業が発生する工事なので、適切な足場を組まずに施工した結果、転落して怪我を負うリスクも考えられます。足場を使わずに手が届く範囲の、一部の外壁のみ塗装するのであればDIYも選択肢の一つですが、原則としてDIYでの塗装は避けて信頼できる業者に依頼しましょう。
関連記事:外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説
まとめ
本記事では格安で外壁塗装を依頼するためのポイントとして、以下の5つをご紹介してきました。
- 複数の業者からの相見積もりを取る
- 外壁塗装の閑散期に依頼する
- 大手ではなく自社施工の地元業者を選ぶ
- 火災保険・補助金を活用する
- 屋根塗装と同時に依頼する
外壁塗装の費用相場は、30坪の家で60万円〜90万円が目安ですが、これらの方法を活用することにより、費用負担が50万円以下の格安工事を行えることもあります。ただし、格安価格を提示する悪意ある業者に騙されてしまわないよう、業者の対応や見積書の内容を踏まえ、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。