2024-07-05 06:16:15 更新

外壁塗装で100万円の見積もりは高すぎる?坪数ごとの相場や内訳を解説

外壁塗装で100万円の見積もりは高すぎる?坪数ごとの相場や内訳を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
詳細を見る

自宅の外壁塗装を業者に依頼すると、100万円前後の見積もりが提示されることは少なくありません。外壁の塗装作業だけで100万円の費用が発生するのは高すぎるのではないか、悪徳業者に相談してしまったのではないかと不安になる方も多いでしょう。

しかし一般的な30坪ほどの広さの住宅では、外壁塗装だけで100万円の見積もりは、相場通りの適正価格と言えます。塗料のグレードや塗装面積にもよりますが、外壁塗装で100万円以上の費用が発生することも珍しくありません。

今回の記事では、外壁塗装にかかる100万円の内訳や計算方法、なるべく費用を安く抑える方法などについてご紹介します。

目次閉じる

30坪の家で100万円の外壁塗装は適正価格

外壁塗装費用の100万円の内訳

外壁塗装費用が100万円を超えるケースとは?

100万円の外壁塗装費用を安く抑える方法

まとめ

30坪の家で100万円の外壁塗装は適正価格

外壁塗装にかかる費用は、主に建物の規模によって相場が決まります。一般的な戸建住宅の広さである延坪30坪ほどの広さであれば、外壁塗装にかかる費用は100万円前後が平均的です。同じ30坪でも、平屋で2階部分の作業が必要ない場合や、単価が安い塗料を使った場合には、100万円を下回る見積もりとなることもあります。

なお、外壁塗装にかかる費用相場について、10坪〜100坪の広さごとの適正価格を下記のページでまとめているので、自宅の広さの場合の費用相場を調べたい時には参考にしてみてください。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

外壁塗装費用の100万円の内訳

外壁塗装にかかる100万円の費用内訳として、以下の5つのような項目が挙げられます。

  • 塗料代
  • 養生代・足場代
  • 高圧洗浄代
  • コーキング補修代
  • 諸経費

それぞれどのような費用なのかをご紹介しましょう。

塗料代

塗料代は、外壁塗装にかかる費用の2割〜3割を占め、塗料のグレードと塗装面積によって金額が決まります。塗料のグレードが高く、塗装面積が広いほど塗料代は高額となります。塗料の種類ごとに費用相場をまとめると、下記の通りです

種類 耐用年数 m2あたり費用相場
アクリル塗料 約5年~8年 約1,000円~1,800円
ウレタン塗料 約8年~10年 約1,700円~2,500円
シリコン塗料 約10年~15年 約2,100円~3,500円
ラジカル塗料 約8年~16年 約2,200円~4,000円
フッ素塗料 約15年~20年 約2,000円~5,000円
セラミック塗料 約10年~25年 約3,500円~5,000円
無機塗料 約20年~25年 約3,500円~5,500円

耐用年数が長く、次の塗り替えまでの周期を延ばせる塗料ほど、塗料代は高くなる傾向があります。しかし長期的なコストを考慮すると、初期費用が上昇したとしても耐用年数が長い塗料を選んだ方がメンテナンス費用を抑えられることも多いです。今後も長く住み続ける予定がある場合には、なるべくグレードの高い塗料を選ぶことをおすすめします。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

養生代・足場代

養生代・足場代は、安全に外壁塗装を行うために欠かせない費用です。高所での作業を安全に実施するための足場を設置し、その周囲には塗料が隣家や道路に飛散しないように養生するシートを設置します。養生代は1平米あたり200円~300円、足場代は1平米あたり800円〜1,200円が相場です。塗料代と同様に、家の規模や塗装面積によって金額が上下することに注意しましょう。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

高圧洗浄代

新しい塗料を塗る前に、古い塗料を落として汚れを取り除くために実施するのが高圧洗浄です。高圧洗浄代の目安は、1平米あたり250円〜450円ほど。水道水を用いて高圧洗浄を行うのが一般的ですが、頑固な汚れが付着している場合には、薬品を使ったバイオ高圧洗浄を実施することもあります。

関連記事:外壁塗装で高圧洗浄機の清掃後、濡れたままコーキングをしても大丈夫か?

コーキング補修代

外壁塗装の際には、外壁材の継ぎ目である「コーキング」の劣化も同時に補修することが多く、必要な費用相場は1mあたり700円~1,500円ほど。一旦古いコーキングを取り除いてから新たなコーキング材を打つ作業が必要になるので、コーキングを充填するだけの作業よりも費用は高額となります。コーキングの寿命は約10年で、外壁塗装の劣化とともに補修が必要になることが多いので、なるべく同時に施工してもらうと良いでしょう。

関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説

諸経費

上記でご紹介した費用のほかにも、「諸経費」という項目で見積もりが計上されていることがあります。諸経費には、駐車場代・交通費や事務手数料などが含まれ、外壁塗装費用の2割〜3割以下が目安です。見積書で高額な諸経費が計上されている場合には、一度内訳について業者へ問い合わせてみると良いでしょう。

外壁塗装費用が100万円を超えるケースとは?

外壁塗装にかかる費用は、30坪の広さの家で60万円〜90万円が相場であり、100万円を超えるケースも少なくありません。ここでは外壁塗装費用が100万円を超える条件として、次の3つを解説します。

  • グレードが高い塗料を選んだ場合
  • 建物が大きく塗装面積が広い場合
  • 外壁の劣化が激しい場合

一つひとつ順番にご紹介しましょう。

グレードが高い塗料を選んだ場合

外壁塗装費用のうち大きな割合を占めるのが、外壁に使う塗料代です。耐用年数が長く、遮熱・断熱性の高い塗料や、汚れに強い機能を持たせた塗料などを使用した場合には、外壁塗装費用全体も高額になります。ただし外壁塗装の初期費用は高額になるものの、グレードの高い塗料のおかげで塗装が長持ちした結果、塗り替え回数を減らして費用・手間を削減できるメリットもあります。

建物が大きく塗装面積が広い場合

外壁塗装にかかる費用は、塗料代・養生代・足場代などいずれも建物の規模によって変動する項目で占められています。建物の規模が大きく延床面積が広い家や、平屋よりも2階建て・3階建ての家の方が、費用相場は上昇します。シンプルな形状な家ではなく、凹凸が多く複雑な形状の家の場合なども、作業効率が低下するため費用が高くなる傾向です。

外壁の劣化が激しい場合

外壁の劣化が激しく、外壁塗装だけでは補修できない場合にも、リフォーム費用は高額となります。外壁材や下地が傷んでしまっている場合には、外壁塗装を行う前の補修工事が必要となるからです。外壁から雨漏りを起こして外壁材の内側が腐食している場合には、外壁全体を交換する張り替え工事が発生することもあります。

張り替え工事などの規模の大きなリフォームとなる場合には、その分だけ費用・期間が膨らんでしまいます。だからこそ外壁塗装を定期的に依頼して、外壁の劣化を防ぐことが重要なのです。

100万円の外壁塗装費用を安く抑える方法

最後に、100万円の見積もりが提示された外壁塗装を、なるべく安く抑える方法についてもご紹介しましょう。

  • 複数の業者から相見積もりを取る
  • 火災保険・補助金を活用する
  • 屋根塗装と同時に依頼する

コストを抑えて外壁塗装を依頼し、住宅のメンテナンスを行いたい方は、ぜひこれらの3つのポイントを参考にしてみてください。

複数の業者から相見積もりを取る

外壁塗装を依頼する際には、1社の見積もりだけで即決するのではなく、複数の業者からの相見積もりを取り寄せることが大切です。相見積もりとは、使用する塗料や塗装面積などの条件を揃えた上で、別々の企業に見積もりを依頼することを言います。条件を揃えることにより費用内訳を比較しやすくなり、割安な業者を見つけることに役立ちます。

また、複数の業者から現地調査や打ち合わせを重ねることにより、業者の良し悪しが判断しやすくなり、信頼できる業者選びにつながるメリットもあるので、積極的に活用してみましょう。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

火災保険・補助金を活用する

住宅の外壁塗装では、強風や積雪といった自然災害による被害を受けた場合に火災保険を使えるほか、国や自治体による補助金を活用できることもあります。外壁塗装で火災保険を使うためには、経年劣化や施工不良ではなく、突発的な事故によって被害を受けたことが条件となっており、被災から3年以内であれば必要書類を用意して保険会社に請求することが可能です。

補助金・助成金は、住宅の省エネ性能を高めるリフォームで支給される制度が中心で、遮熱・断熱塗料を使う場合に申請できることが多いです。補助金・助成金には予算の上限や期限が設けられているため、お住まいの自治体で使用できる制度がないかを早めに調べておき、外壁塗装の着工前に手続きを済ませることが重要です。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ

屋根塗装と同時に依頼する

外壁塗装の費用を節約するために、屋根塗装と同時に依頼するのも効果的です。外壁塗装・屋根塗装では、どちらも足場の設置が必要となり、同時に依頼すれば足場代を1回分浮かせることができるからです。足場代は一般的な広さの住宅で15万円〜20万円ほどが目安なので、同時に依頼すると15万円以上の節約効果が見込めます。

外壁塗装・屋根塗装は、いずれも住宅の寿命を延ばすために欠かせない工事であり、劣化が進む前に依頼する必要があります。外壁塗装を依頼する際には、合わせて屋根の劣化についても現地調査を受けておき、必要なメンテナンスを受けることをおすすめします。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

まとめ

外壁塗装で100万円の費用が請求されることは珍しくなく、30坪ほどの平均的な広さの戸建住宅であれば、適正価格の範囲内です。ただし外壁塗装にかかる費用は、選ぶ塗料や塗装面積、外壁の劣化具合によっても変動します。耐用年数が長い塗料を選んだり、複雑な形状の外壁に施工したり、張り替え工事が必要なほど外壁が傷んでいる場合には100万円以上の費用が発生することもあるのでご注意ください。

外壁塗装費用をなるべく安く抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取り寄せる、もしくは火災保険・補助金を活用できないか調べてみるのが効果的です。足場代を節約するため、屋根塗装と同時に依頼することも効果的なので、ぜひ検討してみてください。

外壁塗装の窓口で相場チェックしてみませんか?
ページトップ