黒の外壁はおしゃれで洗練された雰囲気があり、近年人気が高まっています。黒は色褪せしにくく黒ずみが目立ちにくい利点がありますが、その一方で熱を吸収しやすい難点があります。良い面だけを見て黒を選ぶと、施工後に後悔する可能性があるので注意が必要です。
この記事では、外壁塗装で黒を選ぶメリットとデメリットを紹介します。色選びで失敗を防ぐ方法や、おしゃれに仕上げるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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外壁塗装で黒を選ぶメリット
黒はデザイン性が高く、さまざまな色と組み合わせやすいことから、近年は住宅の外壁に黒色を選ぶケースが増えています。ここでは、黒が人気な理由やメリットを4つご紹介します。
おしゃれで高級感がある
黒の外壁は重厚感や高級感があり、モダンでスタイリッシュな印象に仕上がります。また、他の色と比べて黒色の外壁はまだ珍しいため、個性的でおしゃれな印象に仕上げられるメリットもあります。
見た目がシンプルなため、流行に左右されにくく、長い年月が経過しても飽きる心配がありません。デザイン性を重視したい人や他の住宅と差別化したい人には、黒が適しています。
他の色と組み合わせやすい
黒は無彩色であるため、他の色や素材と調和しやすいメリットがあります。黒は単色でもおしゃれに仕上がりますが、他の色や素材と組み合わせることで個性の幅が広がり、おしゃれ度がさらに増します。
特に白やグレーとの相性が良く、色の割合や配置を工夫することによって家の雰囲気も大きく変わります。また、木材との相性も良く、使い方次第で高級感のあるモダンなデザインに仕上げることも可能です。
色褪せしにくい
黒は時間が経過しても色褪せしにくく、 変色しにくいのが特徴です。黒は紫外線に強いため、経年劣化によりツヤがなくなることはあっても、退色は目立ちません。
赤や黄などの有彩色は、年月の経過とともにツヤがなくなり色褪せてしまうため、こまめな塗り替えが必要です。一方で黒なら色褪せしにくいため、こまめなメンテナンスは不要です。
黒ずみが目立たない
黒い外壁は、ホコリや排気ガスなどの黒ずみの汚れが目立ちにくい利点があります。白い外壁だと、比較的早い段階から黒ずみが目立つようになりますが、黒い外壁なら汚れが目立ちません。
サッシ周りなどに発生しやすい雨垂れなどの黒ずみも目立ちにくいため、メンテナンスに手間がかからず、きれいな美観を長く維持できます。
外壁塗装で黒を選ぶデメリット
黒はデザイン性が高く色褪せしにくいという利点がある一方で、欠点もあります。工事完了後に後悔することがないように、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
熱を吸収して室内が暑くなりやすい
外壁の色に黒を選ぶと家が熱くなりやすいというデメリットがあります。黒は白よりも熱を吸収しやすいため、日差しが強い日に壁面を触ると火傷をする危険性があります。また、室内の温度も高くなりやすく、夏場はエアコン代が高額になるので注意が必要です。
黒い外壁にしたいなら、断熱材や断熱塗料、遮熱塗料を選びましょう。高性能な断熱材を選ぶと、色の影響を和らげられます。また、火傷をしない様に日除けのフェンスを設置するなどの対策も必要です。
白い汚れや傷が目立つ
黒色の外壁は、鳥や虫のフンや土や埃といった白っぽい汚れが目立ちやすいです。特に周囲に自然が多い地域や交通量が多い道路沿いの住宅は、白っぽい汚れが付着しやすいので注意が必要です。
また、黒は熱を吸収しやすいため、他の色に比べると塗装の剥がれや色あせなどの経年劣化が早まります。汚れや劣化を防ぐには、低汚染塗料や紫外線ダメージを避ける塗料を選ぶことが重要です。
周囲の景観と合わないことがある
黒の外壁はデザイン性が高く、周囲の景観と合わない可能性があります。特に外壁全体が黒の建物は悪目立ちしやすく、周囲に馴染まないかもしれません。
また、地域によっては景観条例が定められており、黒い外壁が使えない場合があります。黒を使いたいときは事前に地域の景観条例一覧をチェックして、黒い外壁にしても問題ないかを確認しておきましょう。
黒色の外壁塗装でトラブルや失敗を防ぐ方法
黒色の外壁はおしゃれである一方、個性が強く、熱を吸収しやすい性質があります。見た目の良さだけで黒色を選ぶと、施工後に後悔する可能性があるので注意が必要です。満足いく仕上がりを実現するために、トラブルや失敗を防ぐ4つの方法を紹介します。
黒色の塗装面積を減らす
外壁を黒一色にすると、個性が強すぎて周囲の景観に合わないことがありますが、塗装面積を減らせば見た目のインパクトも弱まり、周囲の景観に溶け込みやすくなります。
また、黒色を塗る面積を減らすことにより、室内に熱がこもる状況をある程度防ぐことができます。特に2階は熱がこもりやすいため、2階だけ明るい色を塗れば、室内温度の上昇を抑制して快適な温度を維持できます。
遮熱塗料を使用する
黒色で塗装をするときに遮熱塗料を使えば、太陽光の熱を遮ることができ、室内の温度上昇を抑えられます。
ただし、遮熱塗料が高い効果を発揮するのは明るい色であり、黒などの暗い色では機能が低下してしまいます。白系の遮熱塗料に比べると日射反射率が50%ほど低下してしまうので、カタログなどで機能を事前に確認しておきましょう。
なお、外壁に通気性のある空気層が設けられている場合や、高い断熱性能を持つ断熱材が使用されている場合は、外壁の熱が室内に影響を及ぼすことはほとんどありません。
周囲と馴染みやすい艶消しタイプを選ぶ
黒色の塗料には艶のあるタイプと艶消しタイプがありますが、艶消しタイプを選んだ方が周囲に自然と馴染みます。
艶のあるタイプは見た目がピカピカしておしゃれではあるものの、周りから悪目立ちしやすい面があります。その点、艶消しタイプや薄めの黒色であれば、周囲から浮きにくくなり、閑静な住宅街にも自然と馴染みます。
汚れづらい塗料を選ぶ
黒は白い汚れが目立ちやすいデメリットがありますが、汚れづらい塗料を選ぶことである程度の汚れを抑えられます。
汚れがつきにくく耐久性が高いのは、シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料です。特にシリコン塗料は耐用年数とコストのバランスが良いため、住宅の外壁ではよく使用されています。
また、光触媒機能や防汚機能のある外壁塗料を選べば、汚れが付着しても雨で自然に汚れが流れ落ちるため、きれいな状態を長く維持できます。
関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう
外壁塗装を黒でおしゃれに仕上げるコツ
黒の外壁はスタイリッシュな見た目に仕上がりますが、さらに一工夫することで見た目がより一層おしゃれに仕上がります。ここでは、黒で塗装をするときにおしゃれに仕上げる3つの方法を紹介します。
明るいアクセント色を取り入れる
黒一色だとシンプルすぎて暗い印象になることがありますが、明るい色をアクセントカラーとして取り入れることで、オシャレ度がグッと上がります。
例えば、屋根の色や軒天、雨樋などの付帯部にホワイトやグレーのアクセントカラーを取り入れることで、重々しい印象を軽減できます。黒はさまざまな色と相性が良いので、好みの色をアクセントとして取り入れてみましょう。
ツートンカラーで仕上げる
外壁を黒一色で塗装するのではなく、黒と別の色を組み合わせることでスタイリッシュな仕上がりになります。
ツートンカラーは、1階と2階部分で外壁の色を塗り分ける方法が一般的です。例えば1階は黒、2階は白やアイボリーなどの明るい色を使用すると暗い印象が軽減され、暖かみあるモダンな印象に仕上がります。
特に黒と白のモノトーンの組み合わせは馴染みがよく、落ち着いたクールな印象に仕上がるため、外壁のデザインにこだわる人におすすめです。
関連記事:外壁をツートンカラーでおしゃれに塗装するコツ!色選び・塗り分けのポイントを解説
黒色の施工実績が豊富な業者に依頼する
外壁を黒色で塗装したい場合は、黒色の施工実績が多い業者に相談しましょう。黒い外壁は日本ではまだ珍しいため、黒で塗装した経験が少ない業者もあります。不慣れな業者に依頼すると、工事中や工事後にトラブルが起きる可能性があるので注意が必要です。
そのため、業者を選ぶときはホームページなどで施工実績をよく調べることが大切です。黒での塗装経験が豊富な業者であれば、塗料に詳しく、よりおしゃれな仕上がりになるアドバイスなどをもらえるため、安心して任せられます。
関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
外壁塗装で黒を選ぶときは経験豊富な塗装業者に依頼しよう
外壁を黒色で塗装すると、見た目に重厚感や高級感が出て、モダンでおしゃれな外観に仕上がります。黒は色褪せしにくく、こまめにメンテナンスをしなくても外観の美しさを維持できます。また、他の色や素材と調和しやすいため、アクセントカラーを取り入れたりツートンカラーで仕上げたりすると、より洗練されたおしゃれな外壁を実現できます。
しかし、黒は熱を吸収しやすく、夏場は室内が暑くなりやすいのが難点です。また個性が強く、周辺の景観に馴染まない可能性もあるため、塗料選びには注意が必要です。
黒い外壁にしたいなら、黒色の施工実績が多い塗装業者に相談しましょう。黒色の塗料に詳しい業者に依頼すれば、黒色のデメリットを回避する方法をアドバイスしてもらうことができ、失敗して後悔するリスクを防げます。
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