2025-06-26 08:49:29 更新

屋根瓦の種類の見分け方は?特徴や価格の違いを一覧で解説

屋根瓦の種類の見分け方は?特徴や価格の違いを一覧で解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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屋根瓦には様々な種類があり、種類によってメンテナンスの方法も異なります。屋根のリフォームやメンテナンスをする前に、自宅の屋根材に使用されている瓦の種類を把握しておくことが大事です。

本記事では、屋根材の種類ごとの特徴や見分け方、価格の違いを解説します。住宅に適した種類の選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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おすすめ記事:屋根材8種類の特徴|費用相場や安いもの、本当に適正な選び方を解説

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屋根瓦の種類を素材・製造方法で見分ける方法

屋根瓦の種類を形状で見分ける方法

屋根瓦の種類をメンテナンスで見分ける方法

住宅に適した屋根瓦の見分け方

屋根瓦の見分け方を知り自宅に適した種類を選ぼう

屋根瓦の種類を素材・製造方法で見分ける方法

屋根瓦は素材・製造方法によって、大きく6つに分けられます。それぞれの特徴や価格の違いを、以下の表に一覧でまとめました。

種類 原料 製造方法 価格(平米単価)
釉薬瓦(陶器瓦) 粘土 薬剤を塗布してから窯で焼き上げる 5,000〜15,000円
いぶし瓦 粘土 窯で焼き上げた後に燻す 8,000〜18,000円
素焼き瓦 粘土 釉薬を塗らずに窯で焼き上げる 5,000〜9,000円
セメント瓦 セメント 窯で焼き上げずに乾燥させる 6,000〜8,000円
モニエル瓦(コンクリート瓦) セメント 窯で焼き上げずに乾燥させる 5,000〜9,000円
金属瓦 鋼板、アルミニウム、ステンレスなど 金属板を成型 6,000〜9,000円

ここからは、それぞれの特徴を詳しく解説します。

釉薬瓦(陶器瓦)

釉薬瓦(陶器瓦)は、原料の粘土を瓦の形に整えたあと、釉薬と呼ばれる薬剤を塗布して窯で焼いた瓦です。表面に綺麗なツヤがあるのが特徴で、水を通しにくく、防水性や耐水性に優れています。また、窯で焼き上げる前に釉薬を塗ることで、好みの色に仕上げられるため、色の選択肢も豊富です。

値段のバリエーションも幅が広く、安価なものなら1平米あたり5,000円ほどで葺き替えが可能です。耐久年数も高く、50~60年ほど持つので、メンテナンスの手間がかからないのも嬉しいポイントです。

いぶし瓦

いぶし瓦は、粘土を成形したあとに窯で焼き上げていぶす製法です。釉薬をかけずに窯の中でいぶすため、銀色や黒色の独特の色合いに仕上がります。ツヤのない銀色は日本家屋と相性が良く、城や寺社にもよく使われています。

時間の経過とともに色ムラが出てきますが、色ムラも魅力の一つであり、さらに愛着が湧くポイントでもあります。ただし、屋根瓦の中では最も単価が高く、安いものでも1平米あたり8,000円ほどします。

素焼き瓦

素焼き瓦は、粘土で形を成形したあと、薬剤を塗らずに窯で焼き上げる製法です。釉薬を塗ったりいぶしたりしないため、粘土本来の色を楽しめるのが特徴です。独特の朱色は洋風の建物との相性が良いですが、沖縄の民家など南欧風の建物ともよく合います。

また、軽量で吸水性や耐久性に優れており、40~50年ほど長持ちます。1平米あたり約5,000円という費用の安さも魅力の一つです。ただし、表面にコーティングを施さずに仕上げるため、経年によりカビやコケが生えやすい難点があります。

セメント瓦

セメント瓦とは、瓦の形に整えたセメントを圧力を加えて成形し、乾燥させて塗装する製法です。窯で焼き上げないため製造がしやすく、価格や工事費用も安いことから、1970年代~1980年代に広く普及しました。

しかし、耐久性が劣るだけでなく、重量もあるため、家屋自体に大きな負担がかかるデメリットがあります。また、瓦の上に塗っている塗料が10~20年ほどで剥げてしまい、早めに塗り直しが必要になることから、近年は住宅での使用が減っています。

粘土瓦と形が同じで色も銀色なので見分けにくいですが、角が角ばっており、手で触ったときにざりざりとしていれば、セメント瓦である場合が多いです。

モニエル瓦(コンクリート瓦)

モニエル瓦(コンクリート瓦)は、セメント瓦に着色スラリーという塗材を塗った瓦です。日本モニエル株式会社が生産していたため、このような名前で呼ばれています。耐久性や価格はセメント瓦とほぼ同じで見分けがつきにくいですが、防水性に長けており、切り口がギザギザしている方がモニエル瓦です。

金属瓦

金属瓦は、鋼板やアルミニウム、ステンレスなどの金属板で作られた瓦です。軽くて加工がしやすく、 施工性に優れており、複雑な形にも対応できます。金属瓦の素材にはさまざまな種類がありますが、最近は耐久性や耐候性に優れたガルバリウム鋼板が人気です。

形も平たい丸みがない物から丸みを帯びているものまでバリエーションが豊富なため、見ただけでは他の瓦と見分けるのが困難です。ただし金属瓦は非常に軽量なため、実際に持ち上げてみれば違いがわかります。

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屋根瓦の種類を形状で見分ける方法

屋根瓦は形状によって、以下3つの種類に大きく分けられます。

種類 形状 価格(平米単価)
和瓦(J型) 緩やかなカーブ 9,000~12,500円
平板瓦(F型) まっすぐ平らな形 7,000~16,000円
スパニッシュ瓦(S型) 大きなカーブ 5,000~13,000円

形状は素人でも見分けやすいので、種類を判別するときの参考にしてみてください。

和瓦(J型)

和瓦(J型)は、 軽くカーブした形が特徴です。日本で古くから使われてきた伝統的な瓦であり、寺院や神社などにも広く採用されています。

カーブの部分に空気を含み、適度に湿度が蒸発するため、保温性と換気に優れています。夏は湿度が高く冬は寒さが厳しい日本の気候には、最適な形状だといえます。また、隣り合った瓦がしっかりと組み合わさっているため、軽い揺れ程度の地震ならずれる心配がありません。雨や雪が降ってもスムーズに流れ落ち、建物が重圧を受けないため、降雨量や降雪量が多い地域に向いています。

平板瓦(F型)

平板瓦(F型)は、凸凹感のないフラットな形が特徴です。見た目がシンプルなため、和風から洋風まで、どんな様式の家屋にも合います。また、見た目がすっきりとして広く見せる効果もあり、太陽光パネルの設置も容易です。色合いも落ち着いたブラックが多く、シックな雰囲気に仕上がります。

スパニッシュ瓦(S型)

スパニッシュ瓦(S型)は、和瓦よりカーブが大きく、S字のような見た目をしている瓦です。丸みを帯びた可愛らしい外観が特徴で、南欧風の建物によく合います。カラーバリエーションも豊富で、1枚の瓦がグラデーションになっていたり、数色を混ぜ合わせて葺いたり、家の雰囲気に合わせた選択ができます。

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屋根瓦の種類をメンテナンスで見分ける方法

瓦には、塗装が必要なものと不必要なものがあります。メンテナンスコストを少しでも抑えたい場合は、塗装の必要性にも注目してみましょう。

セメント系は塗装が必要

セメント系の瓦は防水性がなく、雨水を吸い込んでしまうため、定期的な塗装が必要です。   瓦自体の耐用年数は30~40年ですが、10年に1回の頻度でメンテナンスを行うのが一般的です。

色あせて表面がざらつくと、塗膜がなくなったところからコケが生えることもあります。そのまま塗装すると施工不良が起きるため、事前に高圧洗浄で汚れを落とし、下地処理をしてから塗装を行います。

粘土系は塗装は不要

粘土を焼いて形成された和瓦と洋瓦は、耐久性が高く衝撃にも強いため、塗装は必要ありません。地震が起きても、よほど強い衝撃を加えない限り、ひび割れ等は起きません。経年による色あせはあるものの、瓦自体が劣化しないため、基本的にメンテナンスは不要です。瓦のズレなどに気を付けていれば、半永久的に長持ちします。

釉薬によって色づけされた瓦なら、塗装をしなくても薬剤を変えることで自由自在に色を変えられます。また、いぶし瓦は経年による変化を楽しめるため、色あせがしても塗装は不要です。

住宅に適した屋根瓦の見分け方

自宅にどの瓦を選べば良いか迷ったときは、「価格」「デザイン」「耐久性」の3つに注目してみましょう。ポイントを押さえることで、スムーズな選択が可能になります。

価格 

瓦は種類ごとに平米単価や工事にかかるコストが異なります。 初期費用を安く抑えたいなら、平米単価の低い素焼き瓦や金属瓦を選ぶと良いでしょう。釉薬瓦やいぶし瓦は値段の幅が広いので、リーズナブルなものを選べば初期費用を抑えることができ、予算オーバーを避けられます。予算から逆算して選ぶと、失敗がありません。

なお、値段で選ぶときは、メンテナンスコストにも注目しましょう。塗装が不要な粘土系の瓦を選べば、将来発生する塗り替え費用を抑えられます。

デザイン

建物のイメージに適したデザインを選ぶのも大事なポイントです。瓦は素材や形状によって見た目の雰囲気が大きく変わるので、住宅の雰囲気や理想のイメージと合うかどうかを考えて選ぶ必要があります。

和風の建物なら粘土瓦、洋風の建物ならコンクリートがうまくマッチします。最初に住宅のイメージを決めておくとどのような瓦が合うかをイメージしやすくなり、種類も絞りやすくなります。

耐久性

長く暮らす住宅の屋根材を選ぶときは、耐久性をチェックしましょう。瓦は素材ごとに耐用年数があり、粘土瓦なら50年ほど長く持ちます。耐久性の高い瓦を選べば、メンテナンスや交換の手間がなくなり、維持コストも抑えられます。

ただし、耐用性の高い瓦は初期費用が高く、建物の雰囲気に合わないこともあります。そのため、予算や外観のイメージなども考慮しながら、耐久性を含めて検討が必要です。

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屋根瓦の見分け方を知り自宅に適した種類を選ぼう

屋根瓦は、素材や製造方法などによって見分けができます。これまで住宅では粘土系の瓦が多く使われていましたが、最近では軽量で機能性に優れた金属瓦も登場しており、見分け方が難しくなっています。

困ったときは専門業者に相談して、自宅に適した瓦の見分け方のアドバイスをもらいましょう。同じ瓦でもデザインや色、価格や機能性は異なるため、どれを選ぶべきかは希望条件によって異なります。予算や仕上げたいイメージなどを業者と共有して相談しながら、比較・検討をしましょう。

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