白は住宅の外壁塗装で人気の高い王道カラーです。どんな家ともマッチしやすく、失敗が少ない色ですが、いくつかデメリットもあるので注意が必要です。
この記事では、外壁塗装で白を選ぶメリットとデメリットを解説します。塗装後に後悔しないための対策やおしゃれに仕上げるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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外壁塗装を白にするメリット
白は住宅の外壁に採用されることが多い人気カラーです。白い壁はデザイン性と機能面の両方に優れており、失敗が少ない色だといえます。
ここでは、外壁塗装で白を選ぶ主な3つのメリットを紹介します。
明るく開放感がある
白は太陽光の反射率が高い色なので、見た目が明るく見えます。また、膨張色でもあるため、建物を実際よりも大きく見せることができ、開放感を与えられます。また、白い外壁はシンプルで流行に左右されず、長く暮らしても古く見えません。
真っ白な外観だと無機質な印象を与えやすいですが、少し色味の入った白を選ぶことで温かみのある外観に仕上がります。近隣の景観と馴染みやすく、外観的に失敗しにくい色なので、色選びに迷ったときは白を選んでおけば問題ないでしょう。
他の色と組み合わせやすい
白はどんな色とも組み合わせやすく、和風・洋風問わず、さまざまなテイストの家とマッチします。色の組み合わせ次第で外観の印象を変えられるので、好きな色を組み合わせてオリジナリティを演出できます。
例えば、1階を黒にして2階は白くするなど、階数で2色を塗り分けることでモノトーンのスタイリッシュな外観に仕上がります。どのような色の組み合わせでも調和するので、周囲の景観から浮いてしまう心配もありません。
外壁の温度上昇を抑制できる
白は光の反射率が高いため、夏場も外壁表面の温度上昇を抑制できます。黒などの暗い色の外壁と白い外壁とでは、外壁の温度に10度ほどの差が出ます。
外壁表面の温度が上がらなければ、室内の温度も上がらないため、夏場はエアコン代を節約できます。遮熱塗料や断熱塗料を使用すれば、さらに電気代を節約でき、暑い夏でも快適な室内環境を維持できるでしょう。
外壁塗装を白にするデメリット・注意点
外壁を白にすることにはメリットが多い一方で、デメリットもあります。塗装してから後悔することがないように、ここで注意すべきポイントを確認しておきましょう。
汚れが目立ちやすい
白い外壁は、砂や泥、カビなどの汚れが目立ちやすいデメリットがあります。傷や剥がれなどの経年劣化の症状も目立ちやすく、美観を保ちにくいのが難点です。
定期的に塗り替えをすれば美観を維持できますが、他の色よりもメンテナンスコストがかかります。メンテナンスの手間を省きたい人や、きれいな外観を長く維持したい人には、濃い色を選ぶことをおすすめします。
オリジナリティを演出しにくい
白の外壁は多くの住宅で採用されているため、ありきたりで個性を出しにくいのが難点です。そのため、他の住宅と差別化したい人やオリジナリティを演出したい人には物足りなさを感じるでしょう。
外壁を白一色で塗るとつまらないので、ツートンカラーやアクセントカラーなどで他の色を取り入れるなどの工夫が必要です。1階と2階で色を分けたり、軒天や雨樋などに濃い色を用いてアクセントを付けたりすることで、オリジナリティを演出できます。
外壁塗装に使う白色の種類
外壁塗装に使用される白色にはさまざまな種類があり、どれを選ぶかによって外観のイメージも大きく変化します。色選びにこだわることで、より満足のいく仕上がりを実現できるでしょう。
ここでは、外壁塗装に採用されることが多い白色の種類を紹介します。
純白
純白は、混じり気のない真っ白な色合いです。和風と洋風のどちらのテイストにも合わせやすく、よく晴れた日は白い外壁がよく映えます。
ただし、色味がないため、汚れが目立ちやすいのが難点です。最初は綺麗でも、時間の経過とともに汚れが目立つようになるため、こまめなメンテナンスが必要です。お手入れの手間を省きたい場合は、他の色を少し混ぜた白色を選ぶ方が良いでしょう。
ウォームホワイト
ウォームホワイトは、赤やオレンジなどの暖色系の色味を混ぜた白色です。見た目に温かみがあり、親しみやすさを感じさせます。また、ナチュラルテイストや北欧風の住宅との相性がよく、暖色系の色との組み合わせも良好です。シンプルでありながら外壁に個性を出したい人や、北欧風の住宅に仕上げたい人におすすめです。
クールホワイト
クールホワイトは、少し青みがかった白色です。見た目に清潔感があり、現代的で洗練された印象を与えられます。黒などの濃い色やブルー系の色と組み合わせることで、都会的でスタイリッシュな外観に仕上がります。
涼しげで爽やかなイメージを好む人や、現代的でモダンな雰囲気に仕上げたい人にはクールホワイトがおすすめです。ただし、汚れが目立ちやすいため、汚れに強い塗料を選ぶなどの工夫が必要です。
ナチュラルホワイト
ナチュラルホワイトは、ベージュやクリームに近い白色です。優しく落ち着いた印象があり、ナチュラルテイストやカントリー風の住宅によく似合います。また、自然と調和しやすい色なので、木材や木目調の外壁材ともよく合います。
白は汚れが目立ちやすいのが難点ですが、ナチュラルホワイトなら汚れが付着しても目立ちにくいため、メンテナンスの手間を省けるでしょう。
シルバーホワイト
シルバーホワイトは、グレーに近い白色です。都会的で洗練された印象があり、グレーや黒などの同系色との相性が良好です。
近代的なモダンな住宅をはじめ、重厚感のあるクラシックな住宅にもよくマッチします。クールでスタイリッシュな外観にしたい、モノトーンの色合いが好きという人には、シルバーホワイトがおすすめです。
外壁塗装を白にしたときに後悔しないための対策
外壁を白色にすると、時間の経過とともに汚れが目立って後悔することがあります。汚れを防いで美観を維持するために、効果的な対策を3つ紹介します。
低汚染性の塗料を使う
白の「汚れやすい」というデメリットを解消するには、低汚染塗料が効果的です。低汚染塗料はセルフクリーニング機能を持っており、汚れが付着しても雨で自然に洗い流されます。
外壁を白に塗り替えるときに汚れに強い低汚染塗料を使用すれば、時間が経過しても汚れは最小限に抑えられます。低汚染塗料は各メーカーから販売されており、近年は高性能の塗料も登場しています。
高性能な低汚染塗料を選べば、美しい外観を維持し続けることができ、メンテナンスの手間も省けるでしょう。
油性塗料を選ぶ
外壁を掃除する手間を省きたいなら、艶のある油性塗料を選びましょう。艶のある油性塗料は外壁の表面がツルツルした仕上がりになるため、汚れが付着しても雨で自然に洗い流されます。
艶のある水性塗料よりも油性塗料の方が艶が消えにくいため、時間が経過しても効果が長持ちします。あらかじめ汚れの落ちやすい塗料で仕上げることで、白の美しい外壁を長く維持できるでしょう。
雨筋を防ぐアイテムを付ける
雨による汚れを防ぐために、「雨筋ストッパー」などのアイテムを取り付けましょう。雨が降ると窓サッシに雨筋ができ、そこに汚れが蓄積しやすくなります。あらかじめ雨筋ストッパーなどのアイテムを取り付けておけば、窓サッシの雨筋を防ぐことができ、雨筋による外壁の汚れを防止できます。
白い外壁塗装をおしゃれに仕上げる方法
白い外壁は個性を出しにくいデメリットがありますが、少し工夫をすることで見た目がおしゃれに仕上がります。ここでは、白い外壁をおしゃれに仕上げる3つの方法を紹介します。
窓をバランスよく配置する
白い外壁は見た目がシンプルで窓が目立ちやすいため、バランス良く配置することでデザイン性が高まります。特に通りや近隣から見える面は住まいの顔となるので、窓の配置やデザインにこだわってみましょう。
日本の住宅に多い引き違い窓よりも、上げ下げ窓や滑り出し窓の方が個性を演出できます。上げ下げ窓や滑り出し窓でサイズとバランスを調整することで、白い外壁にメリハリが出てスタイリッシュに仕上がります。また、スリット窓やスクエア窓を複数並べると、クールでスタイリッシュな外観に仕上がります。
外壁のシルエットにこだわる
白くてシンプルな外壁はシルエットが目立ちやすいため、建物や屋根の形状を変えるだけで見た目の雰囲気が大きく変わります。例えば、フラットな外壁ではなく凹凸を付けることによって、見た目にメリハリが出てオリジナリティを演出できます。
また、外壁のイメージに合わせて屋根の形状を選ぶと、全体的に統一感が出ておしゃれ度がアップします。間取りとの兼ね合いも考えながら、外観のシルエットにこだわってみましょう。
外構までトータルコーディネートする
白い外壁をおしゃれに仕上げたいなら、外壁だけでなく門扉や塀などの外構部分もまとめてコーディネートしましょう。外構部分を工夫することで、外観をおしゃれに魅せられます。
外壁と塀の色を白で統一したり、外構部分にブラックなどの濃い色を取り入れてモノトーンテイストにしたり、アイディア次第でシンプルな外観がおしゃれに仕上がります。外壁から外構までトータルコーディネートして、おしゃれな住宅を実現しましょう。
外壁塗装を白にするときは汚れが目立たない工夫をしよう
外壁塗装で白を選ぶと見た目が明るくなり、開放的な印象を与えられます。白くてシンプルなデザインは流行りに左右されにくく、時間が経過しても古く見えません。
しかし、白い外壁は汚れが目立ちやすいため、低汚染性の塗料や油性塗料を使うといった工夫が必要です。汚れが心配な場合は、塗装業者に相談してみることをおすすめします。