コーキングの仕上がりを左右するのは、マスキングテープをはがすタイミングです。タイミングを間違うと、コーキングがはみ出してしまったり、テープが剥がれずに残ってしまったり、仕上がりが汚くなってしまいます。
この記事では、マスキングテープをはがすのに適したタイミングや、正しい貼り方を解説します。テープの選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキングでマスキングテープが必要な理由
コーキングでマスキングテープを使う理由は、主に2つあります。施工の失敗を防ぐために、理由をきちんと把握しておきましょう。
周囲の壁や床を傷・汚れから保護する
コーキングを施工する際に、マスキングテープを塗装箇所の周囲に貼っておくと、作業する際の傷や汚れから保護できます。万が一作業中に塗料がはみ出ても、事前にテープを貼っておけば、床や壁を汚す心配がありません。DIY初心者もテープを使えば、塗装箇所を美しい直線状に整えて、キレイに仕上げられます。
また、引っ越しなどで家具や家電などの荷物を移動する際に、周りの壁や床に傷がつかないように使う場合もあります。家具の引き出しにテープを貼って、運搬中に引き出しが飛び出すのを防いだり、壁や床をシートで覆って固定する際に貼ったりするのが一般的な使い方です。周囲に傷や汚れがつくのを防ぐとともに、ケガを防いで荷物を安全に運搬できる効果もあります。
塗装後に簡単にはがしやすい
ガムテープなどと違い、マスキングテープはすぐにはがせるように作られているため、塗装後に簡単にはがせます。粘着力が弱いため、接着剤が残らず、傷もつきません。通常のテープを使うと、うまくはがれずに残ることもあるので、必ずマスキングテープを使いましょう。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキングでマスキングテープをはがすタイミング
コーキングを美しく仕上げるには、テープをはがす時機が重要です。早すぎたり遅すぎたりすると、仕上がりが汚くなってしまいます。施工を成功させるためにも、綺麗にはがす時機を把握しておきましょう。
塗膜が完全に乾く前にはがす
テープをはがす時機は、塗膜が完全に乾く前です。コーキングを塗り終わったら、乾く前にすべてはがしましょう。完全に乾いてから剥がすと、塗装面とテープが一体化してしまい、塗装面も剥がれてしまいます。そのため、半乾きの状態で素早くはがすのがポイントです。
季節や気温によってはがすタイミングが変動する
いつテープをはがすかは、季節や気温、天候によって変わります。温度が高くて湿度の低い日であれば、乾燥が早いため、すぐにはがした方が良いです。逆に、温度が低くて湿度の高い日は乾くまで時間がかかるため、はがすまで少し待つ必要があります。
気温が高い夏は乾燥が早く、寒い冬や天気が悪い日は遅くなります。また、同じ日でも日中は乾燥が早く、夕方では遅くなります。 施工する季節や天候、時間帯なども考えて、はがす時の調節が大事です。
コーキングの種類によってはがすタイミングが異なる
テープをはがす時機は、コーキングの種類に合わせる必要があります。住宅の外壁に使われるコーキング材は主に2種類あり、それぞれ表面の硬化にかかる時間が異なります。
種類 | 表面硬化速度 |
ウレタン系 | 約2時間 |
変成シリコン系 | 約1時間 |
変成シリコン系は紫外線に強く、耐候性に優れており、硬化が早いのが特徴です。短時間で塗料の上塗りもできますが、紫外線に弱いため露出はできません。
一方で、ウレタン系は塗装との密着性に優れており、モルタル壁のヒビ補修などに使用されます。ただし、表面硬化が遅いため、すぐにはがそうとするとコーキングまで一緒にはがれてしまう恐れがあります。事前に硬化速度の早い変成シリコン系で仕上がる時間を把握しておくと、失敗を避けられるでしょう。
なお、上記の硬化速度はあくまで目安であり、乾くまでの時間は季節や天候、湿度などによって前後します。素人が最適な時間や塗料を見極めるのは難しいので、心配な場合は業者に頼みましょ
う。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキングでマスキングテープをはがすタイミングを間違えたときの問題
はがす時間を誤ると、見た目が悪くなるだけでなく、施工自体が失敗する恐れがあります。どのような問題が起きるかを事前に把握して、施工の失敗を防ぎましょう。
タイミングが早すぎると糸を引いてしまう
表面が固まっていない状態ですぐにはがしてしまうと、コーキング材が引っ張られて糸を引いてしまいます。そのまま外壁に付着すると、除去に手間がかかります。
テープをはがすのは半乾きの状態がベストですが、まだ少ししか乾いていない状態ではがすのはよくありません。塗った後は少し経過を観察して、表面硬化がほどよく進んだ状態で、できるだけ早くはがしましょう。
タイミングが遅すぎると剥がれにくくなる
テープをはがすのが遅れると、コーキング材が完全に密着してしまい、剥がれにくくなります。表面硬化が進みすぎてからはがそうとすると、コーキング材が剥げたり端に切れ端が残ったりして、仕上がりが汚くなってしまいます。特に気温の高い夏場は乾燥が早く進むため、遅れないように注意が必要です。
無理にはがそうとするとコーキングがはがれてしまう
くっついたテープを無理やりはがそうとすると、コーキング材自体が取れてしまいます。せっかく綺麗に塗っても、はがし方を間違えるだけで、施工が台無しになることもあるので要注意です。はがすときにすでに乾いている場合は、無理やり引っ張ろうとするのはやめましょう。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキング用のマスキングテープを選ぶポイント
マスキングテープと一口にいっても、さまざまな種類があります。施工を成功させるには、適した種類を選ぶことが大切です。ここでは、テープを選ぶときにチェックすべき2つのポイントを紹介します。
粘着力
マスキングテープの粘着力は、微粘着から強粘着までさまざまです。はがすことを前提にしているので、他のテープと比べると粘着力は弱いですが、しっかり固定したいときは強めの粘着力を選ぶなど、用途に合った粘着力を選ぶと作業がしやすくなります。
粘着力を比較する際に参考になるのは、商品に記載されている「N/mm」という単位です。数値が大きいほど粘着力が強いので、テープを選ぶ際の目安になります。
また、製品に使われている粘着剤によって、粘着力にも違いが出ます。屋外の塗装に向いているのは、アクリル系の粘着剤です。紫外線や水にも強く、耐熱性に優れるため、屋根や外壁の塗装に最適です。ただし、価格が高く、プラスチック系の素材には貼りにくいデメリットがあります。
一方で、ゴム系の粘着剤は紫外線や熱に弱いため、屋外の使用には向きません。ゴム系の方が価格が安いですが、使用に適した場所が異なるので注意が必要です。
テープの幅
マスキングテープの幅は、5mmから100mmを超えるものまでラインナップが豊富です。養生用に使う場合は幅50mmが一般的ですが、細い箇所に太い幅のものを使うと、塗装の際に邪魔になる可能性があります。
狭い場所に貼る場合は、25mm以下のような幅が狭いタイプがおすすめです。逆に、大きく塗りたい場所に細いテープを使うと、塗装がはみ出す可能性もあるため、場所や状況に合わせた幅を選びましょう。
幅だけでなく、厚みの確認も必要です。凹凸のある箇所は薄いタイプの方が密着しやすいため、状況に応じて厚さも適切なものを選びましょう。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキングでマスキングテープを使う方法
マスキングテープは、はがすときだけでなく、貼るときから適切に使用する必要があります。美しい施工を実現するために、ここで正しい使い方を確認しておきましょう。
貼る前に汚れを取り除く
テープを貼る前に、貼りたい箇所の汚れを取り除いておきましょう。もともと粘着力が弱いため、接着面が汚れているとうまく密着できず、すぐにはがれてきてしまいます。また、作業中に隙間に入り込む場合があるので、しっかりと下準備を行う必要があります。
汚れだけでなく、水分や油分もしっかり取り除きましょう。濡れていると密着しないので、事前にしっかり乾かしておくことが大切です。
マスキングテープを隙間なくまっすぐに貼る
テープは隙間がないようにしっかり押さえながら貼りましょう。隙間があると塗料が入り込んでしまいます。貼った後は、手やタオルでしっかり押さえて密着させましょう。
また、貼り方が雑だと仕上がりも汚くなってしまうので、ラインがガタガタにならないように注意しながらまっすぐ貼ることが大切です。壁に垂直に貼る際は、テープの先に重りをつけて垂らすと、まっすぐに貼りやすくなります。
斜め前方に引っ張りながらはがす
塗装が終わったら、完全に乾く前に手早くはがしましょう。はがす際は、下方向ではなく、斜め前方に引っ張るのがポイントです。はがした後は新聞紙などに貼っておくと、片付ける際に手間がかからず便利です。
外壁の塗り替え時期かも...
コーキングでマスキングテープをはがすタイミングを知り工事を成功させよう
テープをはがすベストな時機は、コーキングが半乾きの状態です。早すぎると糸を引いてしまい、遅すぎるとはがれにくくなってしまいます。完全に乾いてからはがすのは遅いので、施工後は経過を観察しながら時期を見計らって手早くはがしましょう。
なお、季節や天候によって乾く時間が変動するため、はがす瞬間を見逃さないように気を付ける必要があります。夏の晴れた日は乾く時間が早く、冬や雨の日は乾くまでに時間がかかるので、経過をよく観察して柔軟な対応が必要です。
また、貼る場所が汚れていると途中で取れてしまうので、事前に汚れを取り除いてから貼りましょう。隙間ができないように、手で押さえながらまっすぐ貼るのがポイントです。作業が終わった後は、斜め前方に引っ張りながらはがすと、スムーズにはがれて仕上がりも美しくなります。
外壁の塗り替え時期かも...